新型コロナウイルス、ヘルスケア業界への影響は?刻々と移りゆく情勢による今後の変化とは?エキスパート6人に聞く

2020.07.17 業界分析

世界的に蔓延する新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、産業界では事業の停滞が避けられない状況となっています。しかし一方で、この危機の中で新たな事業機会を見つける業界や企業も見られるようになりました。

5月25日に全国の緊急事態宣言が解除され、感染の第2波に予断を許さぬ状態ではあるものの、徐々に経済活動も再開しつつあります。

ミーミルでは、各業界における新型コロナウイルスの直近での業績影響や、来期以降への影響、新たに生まれる事業領域や特に打撃が深刻な領域などについて、エキスパートの皆様に対する緊急サーベイを3月と5月の2度にわたり実施。エキスパートの皆様のご見解とその移ろいを追跡調査しました。

今回は製薬、医療機器、医療サービスなどを包含したヘルスケア業界を対象に、当該領域に専門性を有するエキスパート6名のご見解をまとめました。

今回は、5月25日の緊急事態宣言解除後のタイミングでお伺いした見解をご紹介させて頂きます。

エキスパート紹介:

1: 某国立大学教授(専門は、機械学習、情報工学、及びヘルスケア)

2: 元富士フイルム富山化学勤務 研究十年、開発三年(アビガンにも関与)

3: 大手製薬企業勤務、グローバルサプライチェーン担当

4: 創薬系バイオベンチャー 事業開発部門ヘッド (医薬品候補化合物の導出を担当)

5: 高橋義仁、専修大学商学部 教授(専門は経営戦略論)PhD(学術)、MSc(技術経営)

6: 真野俊樹、中央大学大学院戦略経営研究科教授、多摩大学大学院特任教授、医師(専門は医療経営・医療経済)

 

設問内容:

Question1:新型コロナウイルスによってもたらされる、ヘルスケア業界での今期業績への影響をどうお考えですか?以下の5段階で評価してください。

強いマイナスインパクトがある(1点)<マイナスインパクトがある(2点)<影響はない(3点)<プラスインパクトがある(4点)<強いプラスインパクトがある(5点)

 

Question2:新型コロナウイルスによってもたらされる、ヘルスケア業界での来期業績への影響をどうお考えですか?以下の5段階で評価してください。

強いマイナスインパクトがある(1点)<マイナスインパクトがある(2点)<影響はない(3点)<プラスインパクトがある(4点)<強いプラスインパクトがある(5点)

 

2か月間の評価に変化はなし。マイナス評価は緊急事態宣言解除後も完全な市場回復には至らないとの見立てから

 

<Question1アンケート結果>

前回(3月調査):平均3.2点

今回(5月調査):平均3.2点

5月調査では、3月調査分から今期業績への影響についてのエキスパート見解に、変化は見られませんでした。

今期の業績に対して、強いプラスインパクトがあると回答したエキスパートは1名、プラスのインパクトがあると回答したエキスパートは2名、マイナスのインパクトがあると回答したのは3名と、見解が分かれました。強いマイナスインパクトが生じる、または影響がないと回答したエキスパートはいませんでした。

今期の業績に総じてプラスのインパクトがもたらされるだろうと予想したエキスパートは、感染症領域や疫学領域への評価や認知・国民全体での意識の高まり、医療体制の限界が可視化されたことによる遠隔医療の進展や、医療業界の規制緩和への期待などを評価の背景として挙げています。これは5月時点では3月調査と変わらない見解でした。

 

反対に、今期の業績にマイナスのインパクトがあると回答したエキスパートは、3月調査と数値的評価は変わらないものの、その見解に変化が見られます。

「人の移動や生産活動の制限解除が徐々に行われ、製造拠点での感染拡大や供給遅れは取り戻されるが、ここ数ヶ月の遅れを完全にリカバーするのは難しい」エキスパート(4)

「緊急事態宣言解除により、医療機関への通院意思の冷え込みは緩和され、一部の医薬品、検査、医療機器、衛生材料の需要は拡大する。しかしそれ以外の領域では、医薬品のプロモーション低下、新製品の市場浸透に関してマイナス影響が見込まれる」エキスパート(5)

「コロナウイルスによって受診抑制が起きてきていて、さらに景気後退により病院や診療所へのマイナスインパクトが大きい」エキスパート(6)

 

3月よりも全体が悲観的に。市場の停滞が大きく影響か

 

<Question2アンケート結果>

前回(3月調査):平均2.7点

今回(5月調査):平均2.3点

 

5月調査では、来期業績に関してより悲観的な見立てにシフトされたエキスパートが2名おり、影響がないと回答したのが2名、マイナスインパクトがあると回答したのが4名という結果でした。これによりポジティブな見立てをするエキスパートがゼロとなりました。

影響がないと回答した2名は、医療崩壊などの影響で治験計画の遅延は発生しつつあるが、ある程度対策も講じられてきており、来期業績に影響するほどではないこと、生命に関わる疾患(癌など)はさほど影響を受けないことなどを考慮した結果の見解でした。

今期、プラスインパクトがあると回答したエキスパート(1、2)は来期についてはマイナスインパクトがあると予想しており、「市場が停滞することによる影響」「必要でないものの需要の減少」をその理由に挙げています。

今期に引き続きマイナスインパクトがあると回答したエキスパート(5)は、「今後についてはシナリオの設定が必要」としたうえで、「コロナが終息に向かうとした場合、需要が増加するマーケットと減退するマーケットの差し引きがなされ、結果的にはやや減少する」との見解。同じく引き続きマイナスインパクトがあると回答したエキスパート(6)は背景を含め今期と情勢が大きく変わらないと見ています。

ヘルスケア業界において今後どのように影響が広がっていくか、引き続き注視していく必要がありそうです。

 

 

ミーミルでは上記の設問のほか、ヘルスケア業界において事業機会が生じる領域(製品)や、反対に打撃をうける領域(製品)、ヘルスヘア業界のエキスパートからみた、影響が大きいと思われる業界についても同一調査内でご見解をお伺いしています。

また上記の設問のほか、ヘルスケア業界において事業機会が生じる領域(製品)や、反対に打撃をうける領域(製品)、ヘルスヘア業界のエキスパートからみた、影響が大きいと思われる業界についても同一調査内でご見解をお伺いしています。

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