猛威を振るう新型コロナウイルス、小売/Eコマース業界への影響は?エキスパート6人に聞く

2020.04.07 業界分析

世界的に蔓延する新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、産業界では事業の停滞が避けられない状況となっています。しかし一方で、この危機の中で新たな事業機会を見つける業界や企業も見られるようになりました。

ミーミルでは、各業界における新型コロナウイルスの直近での業績影響や、来期以降への影響、新たに生まれる事業領域や特に打撃が深刻な領域などについて、エキスパートの皆様のご見解をお伺いする緊急サーベイを実施いたしました。

今回はGMS、百貨店、ドラッグストア、Eコマースなどを包含した小売業界を対象に、当該領域に専門性を有するエキスパート6名の方に、ご見解をお伺いしました。

 

エキスパート紹介:

1: 大手外資/EC企業 リテールビジネス(カー&バイク用品カテゴリーを担当)

2: 小売業 常務取締役管理担当

3: 大手百貨店 経営戦略統括部 執行役 経営企画部長

4: 大手カジュアル衣料品小売 EC部門スペシャリスト

5: グロービス 法人部門 マネジングディレクター

6: 郡司 昇 店舗のICT活用研究所 代表

 

設問内容:

Question1: 新型コロナウイルスによってもたらされる、小売/Eコマース業界での今期業績への影響をどうお考えですか?以下の5段階で評価してください。

強いマイナスインパクトがある(1点)<マイナスインパクトがある(2点)<影響はない(3点)<プラスインパクトがある(4点)<強いプラスインパクトがある(5点)

Question2: 新型コロナウイルスによってもたらされる、小売/Eコマース業界での来期業績への影響をどうお考えですか?以下の5段階で評価してください。

強いマイナスインパクトがある(1点)<マイナスインパクトがある(2点)<影響はない(3点)<プラスインパクトがある(4点)<強いプラスインパクトがある(5点)

 

今期はインバウンド顧客減少などによるマイナスインパクトは確実。一方でEコマース拡大はポジティブ材料

今期:平均1.7点

今期の業績に対して、プラスのインパクトが生じると回答したエキスパートは1名、マイナスのインパクトがあると回答したエキスパートは1名、強いマイナスインパクトがあると回答したエキスパートは3名でした。
影響がないと回答したエキスパートはいませんでした。

小売業の今期の業績にマイナスのインパクトがあることは疑いのない状況となってきていますが、要素として「春節前までの勢いやマスク特需、日用品・食品の前倒し購買などが落ち着き、これからインバウンドビジネスが確実に落ち込む」「飲食店では以前から人気があったお店は引き続き混んでいるが、それ以外やインバウンドを当てにしたお店での打撃が大きい」「店舗小売とEコマースがオムニチャネルで一体化していない企業では、店舗小売に甚大な悪影響が出る」などの声が上がっています。

一方でECにフォーカスを当ててプラスのインパクトを予想したエキスパートは、「世界的に外出規制などが掛かり実店舗の閉店も増える中、引き籠り需要としてECの活用拡大は今期内でもかなり高い」との見解です。

 

小売業が伸びる要素は見当たらず来期も引き続きマイナスインパクトと予想されるも、Eコマースは新たな需要が高まる可能性

来期:平均1.8点

来期の業績にも引き続き爪痕は残るという見解が多く、マイナスインパクトを予想するエキスパートが多い結果となりました。今期に引き続き、ECにフォーカスをしてプラスのインパクトがあると予想するエキスパートが1名でした。

プラスのインパクトがあると回答したエキスパート(1)は、来期以降はEコマースでさらにゲーム・エンタメ・スポーツ器具など、室内生活において快適性を上げる娯楽・健康の需要が高まると推測しています。

今期に引き続き来期も強いマイナスインパクトがあるとしたエキスパート(5)は、「国内・国外からの人の動きが制限される事による影響だけでなく、今後の企業業績の悪化による給与・ボーナスの減少、失業者増加による国内の消費力の落ち込みなど、構造的に小売業が伸びる要素が少ない」と指摘しています。また同様に今期に引き続き強いマイナスインパクトがあるとしたエキスパート(6)は、「特にアパレル業態においてはECと一体化しているかどうか、で回復できるかどうかが別れるだろう」とみています。

また今期は強いマイナスインパクトがあるが、来期は少し和らぐ可能性ありとしてマイナスのインパクトを予想したエキスパート(3)は、政府の経済対策や延期された東京オリンピックの実施などがポジティブ材料であるものの、経済的なダメージが残るため引き続き消費に影響があるとの見解です。また、同様に来期はマイナスインパクトがあると予想したエキスパート(4)は、「この春の余剰在庫が原因となり、来期への悪影響はあると考えられる。」「短サイクルのキャッシュフローに影響があるので、仕入れにも支障が出る場合が想定できる。」とみています。

反対に、来期は今期よりもシビアさを増すという予想のエキスパート(2)は、来期はインバウンド需要がダウンしたままだと赤字転落の可能性も視野に入れる必要性が出てくるため、とその背景を説明しています。

小売/Eコマース業界において今後どのように影響が広がっていくか、引き続き注視していく必要がありそうです。

 

ミーミルでは、各エキスパートの今期業績、来期業績への評価コメント全文をお読みいただけるホワイトペーパーをご用意しております。
ご関心のある方は以下よりダウンロードください。

※新型コロナウイルスによる影響:ホワイトペーパーダウンロードページ※

 

また上記の設問のほか、小売/Eコマース業界において事業機会が生じる領域(製品)や、反対に打撃をうける領域(製品)、小売/Eコマース業界のエキスパートからみた、影響が大きいと思われる業界についても同一調査内でご見解をお伺いしています。

全設問に対するご回答をお読みいただくためには、弊社Expert Opinionサービスのご契約が必要です。

ご関心のある方はご説明資料をお送りいたしますので、以下よりお問い合わせください。

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