【業界分析:ファストフード】高級バーガーの代表格「シェイク・シャック」。ファストフード市場の動向

2017.09.18 業界分析

国内でも再編が続くハンバーガー市場

飲食業界は、アドバンテッジパートナーズによる「牛角」を展開するレックス・ホールディングスの買収、ユニゾンキャピタルのあきんどスシローへの買収、ベインキャピタルによるすかいらーくへの買収など、以前から投資ファンドの投資事例も多い領域です。そして、ハンバーガー市場においてもM&Aがいくつか見られます。

2016年6月、ウェンディーズ・ジャパンがサントリー傘下のファーストキッチンを投資ファンドのロングリーチグループと買収することを発表しました。ウェンディーズへの出資額は数十億円になるとみられますが、ロングリーチグループも、これまでの大手外食チェーンに投資した経験を活かしてウェンディーズの日本での今後の事業展開を支援していく模様です。

また、2016年10月、外食大手コロワイドは、ハンバーガー国内5位のフレッシュネスバーガーの買収を発表しています。フレッシュネスのチェーン売上高は約80億円で国内のハンバーガー業界5位、店舗数は同4位の約160店。高品質なハンバーガーを提供するフレッシュネスのブランド力と、「牛角」などフランチャイズチェーン展開のノウハウを持つレインズの事業基盤を生かし事業拡大を狙います。

2017年5月にも、「ケンタッキーフライドチキン」などを運営する日本KFCが、「ピザハット」事業を担う日本ピザハットとフェニックス・フーズの売却を発表しました。投資会社のエンデバー・ユナイテッド・パートナーズ・シックスへの売却が発表されました。。宅配ピザの市場規模は緩やかに拡大しているものの、人件費上昇や競争激化している中、「事業運営をエンデバー社へ委ねることが最良な選択であると判断した」という。

また、少し変わったファストフードとしては、2017年4月、最大手コメ卸・神明グループが、おにぎりなどを通じて和食文化を伝えていくという新発想のおにぎり専門店「Tokyo Onigiri Labo」との資本業務提携を発表しました。海外の店舗ならびに流通事業における協業及び共同店舗展開などで連携していくようです。

 

高級バーガーの代表格「シェイク・シャック」

ここでは、日本にも上陸している高級バーガーの代表格「シェイク・シャック」についてみていきましょう。

多くのハンバーガーがファストフードとして商品をクイックに提供している手軽なサービスであることに対して、シェイク・シャックは、高品質なサービス、品質を選んだ原料および調味料を確保することにより、高級バーガーとして異なる市場ポジションを築いています。

また、ファストフードでは珍しくニューヨークのマンハッタンで生まれ、育てられたという同社のブランドイメージに、顧客は魅力を感じているという側面もあります。シェイク・シャックでの食事を、ライフスタイルを示す体験の一つとしてとらえることで、ファンを獲得しています。

また、同社は、ソーシャルメディアを活用したマーケティングや、高品質な食材や、サービスクオリティの高さによるブランディングによっていわゆる「安価で手軽な」一般的なファストフードとは異なるイメージ、ポジションニングの確立に成功しています。

シェイク・シャックの基本情報

  • 企業名 Shake Shack Inc
  • 証券コード SHAK
  • 代表者 Randy Garutti (Chief Executive Officer and Director)
  • 住所 1450 Broadway 5th Floor New York New York United States
  • URL https://www.shakeshack.com
  • 上場年月日 2015/01/30
  • 上場市場 ニューヨーク証券取引所、ミュンヘン証券取引所
  • 従業員数 2,215人 ( 2015/12期 連結 )

 

シェイク・シャックの平均店舗売上高は400万ドルです、これは米国でのマクドナルドの2倍となっているそうです。また、前回の記事の通り、日本での店舗別の売上高が、ハンバーガーで1億円程度であることに比べても非常に高い店舗パフォーマンスであることがわかります。

なお、同社は、2015年1月30日に新規株式公開を行い、ニューヨーク証券取引所に上場(ティッカーシンボルはSHAK)しています。初日の株価は公開価格から倍以上の45.90ドルに達し、結果として1億500万ドルの資金を調達しています。

同社の時価総額はおよそ1,500億円(2017年6月時点)、売上高は300億円程度と、当然ながらファストフードの大手と比べると小規模ではありますが、直近年度の売上高の成長率も40.9%と高く、企業価値/EBITDAは31.3倍と市場でも高い評価を受けていることがわかります。

 

シェイク・シャックの売上、EBIDAの推移

出典:10-K

シェイク・シャックの海外展開の加速と、店舗数拡大について

店舗数の推移と、その直営とライセンス及び米国内と海外の内訳をみると、同社は、2013年から海外展開が本格化していることがわかります。また、国内店舗については非常に直営店の比率が高いことも特徴といえます。

なお、同社にとって、通常のファストカジュアルレストランのみならず、高級バーガー(同社によると”better burger”)コンセプトのレストランが競合になっています。

 

シェイク・シャックの店舗数の推移

出典:10-K

2014年にて、63店舗のうち、31店舗が米国国内の直営店、5店舗が米国国内のライセンス店、27店舗が海外のライセンス店となっています。