【国内初】エキスパートアワード受賞者インタビュー(エキスパートインタビュー部門)

2021.03.11 エキスパート
【国内初】エキスパートアワード受賞者インタビュー(エキスパートインタビュー部門)

2021年2月12日、ユーザベースグループの株式会社ミーミルは、エキスパートプラットフォーム「NewsPicks Expert」に登録しているエキスパートを対象に、「エキスパートアワード2020」を開催しました。これまで明確な基準がなかった「エキスパート」や「有識者」について、知見提供の実績や評価をもとに表彰するアワードは国内初めての取り組みとなります。

エキスパートインタビュー部門では、新規事業創出を検討するクライアント企業に対して業界動向や未来予測などを直接のインタビューで回答するサービスEXPERT Interviewで実績を収めた3名のエキスパートが「最多インタビュー賞」「ベストインタビュー賞」「特別賞」をそれぞれ受賞しました。

今回、受賞されたエキスパートは以下の方々です。

最多インタビュー賞
稲葉 祐樹 様(大手車載部品メーカー 次世代製品設計担当部署 課長)

ベストインタビュー賞
矢島 和男 様(ブルースカイテクノロジー株式会社 代表取締役)

特別賞
山本 博和 様(物流事業会社 事業副本部長)

受賞者の皆さまには、「NewsPicks Expert」に登録した経緯や案件を受けてみて得た気づき、活動のモチベーションなどのインタビューに答えていただきました。

最後には、株式会社ミーミルおよび「NewsPicks Expert」が提案する「個人と企業の新しい関係」に対する見解も伺っています。

【解説】NewsPicksが提案する新しい働き方

EXPERT Interviewとは

リサーチ対象領域のエキスパートに、即座に1時間のインタビューをアレンジ。電話会議や対面会議、ラウンドテーブルなどの形式で市場構造のスピーディな理解や、ナレッジ・インサイトが獲得できるサービスです。

今回の受賞者をはじめ、多様な得意領域・専門分野を持つ国内約8,000名+グローバルのハイレベルなエキスパートが、オープンソースでは得られない深い知見を顧客に提供しています。

<最多インタビュー賞> 稲葉 祐樹 様

大手車載部品メーカー 次世代製品設計担当部署 課長
博士(工学)

得意業種:素材・素材加工品、機械・電気製品、輸送機械
専門領域:技術・開発・製造

略歴:大学在学中に英国へ研究留学。大学院博士課程修了後、米国にて新規金属、半導体材料開発に従事。帰国後も磁気記録媒体材料開発、太陽電池材料開発、車載、産業向け半導体パッケージ要素技術開発など様々な開発に従事。現在は主に車載向け半導体パッケージの要素技術開発を担当。

表彰のポイント:半導体・パワーモジュールのご知見をお持ちで、わかりやすい解説に、毎回非常に有意義なインタビューであるとのコメントをお客様からいただいています。

 

受賞の感想をお聞かせください。

稲葉 ご連絡をいただいたときは少し驚きました。私の体感では多くの案件をお引き受けしているつもりはなかったのですが、やはり嬉しかったです。

 

エキスパート登録してみようと思った理由をお聞かせいただけますか。

大きく分けて2つあります。ひとつは、この活動に興味を持ったからです。これまで得てきた知見は、会社に所属していれば勤務先の中だけで共有されるものだと思ってきましたが、社外でもこのような形で活かされる道があることを知り、関心を持ちました。もうひとつは、他のエキスパートの方との横の繋がりができればと期待する気持ちもありました。

 

活動を開始された際に、不安だった点や懸念されていた点はございましたか。

私は現役の会社員なので、活動を始める際に会社に相談したのですが、副業解禁が進んでいるとはいえ、許可が出るか心配でした。しかし、実際に人事に話をしてみたらすんなりとオーケーをもらえ、所属長も「やったら」と。活動のことを社内で大々的に話しているわけではないですが、会社の中でも僕がモデルケースになれればよいなという思いがあります。

 

エキスパート活動について、実際に案件を受けてみてその上で何か気づきですとか、そういったものはございましたか?

自分にとっては当たり前だと思っていることでも、それをお伝えすることによって喜んでくださる方が多くいらっしゃることは、良い気づきでした。

 

ご自身がエキスパートとして発信することのメリットと、活動のモチベーションを教えていただけますか。

自分の中だけに閉じていた知見を共有することによって、周りの人が喜んでくれることが嬉しいです。私はもともと研究職で、一人でコツコツと仕事をしたいタイプでした。しかしこの活動を通して、自分の知識や経験をオープンにするのはよいことなのだと考えが大きく変わりました。

アメリカで長く働いていたことがあるのですが、あちらは根底にキリスト教があります。「他者に施しを与えることで自分が幸せになる」という考え方が遺伝子のように人々の中に受け継がれていており、仕事も協力するのが当たり前でした。

活動を通じて、この感覚を肌で感じることができたと思います。会社でも管理職になるなど周囲と関わりながら働く機会が増える中で、業務にもプラスになっていると感じています。

 

個人と企業の関係は今後、どうなっていくと思いますか。

対等になっていくのではないかと、ポジティブに考えています。しかし、やはりどうしても日本の社会って個人よりも前に、所属している集団が前に出てきてしまう社会ですので、その慣習が取り去られない限りは理想的な状態には近づいていかないだろうとも思ってしまいます。結局、所属も何も出さずにエキスパート活動をしようとしても、信頼してもらえないと思います。

私は自動車業界でそれなりに名の知れた会社で半導体関連の仕事をしているのですが、以前、別の業界で同様に半導体を扱っていた際は、会社の知名度が低かったからか、社外からこのようなご相談をいただくことはほとんどありませんでした。

個人と会社はいずれ対等な関係になっていくのだと思いますが、今はまだ、その人が所属する会社や業界のネームバリューによって個人が判断されがちです。これは日本の特徴かもしれません。

海外で働いていた頃は、自己紹介のときはまず自分の名前を言ってから所属先を話すんです。日本では逆で、まずは所属を言いますよね。日本で個人が先に来る時代になるのにはまだまだ先が長そうだと感じています。

 

<ベストインタビュー賞> 矢島 和男 様

ブルースカイテクノロジー株式会社 代表取締役

得意業種:輸送機械
専門領域:事業開発・企画・マーケティング、技術・開発・製造

略歴:大学院修士課程修了後、1990年日産自動車入社。28年間に渡って、技術だけでなく幅広く自動車関連ビジネスについて経験。2018年に電動化技術及び電池技術のエンジニアリングサービスを行うブルースカテクノロジー(株)を設立。現在に至る。

表彰のポイント:自動車業界の中でも特にEV領域のご知見が深く、質問の背景を汲み取ったご回答、専門性の高さより、クライアント企業より高い評価をいただいております。

 

受賞の感想をお聞かせください。

矢島 お客様が私の回答に喜んでいただき、役に立ったと思っていただけたのであれば非常に嬉しいです。

 

エキスパートに登録してみようと思っていただけた理由をお教えいただけますか。

知人が薦めてくれました。電池や電気自動車は今注目されている分野だから需要があるんじゃないの、と。ただ、電気自動車のことは自分なりによく知っているつもりですが、お客様のご要望に添えるか不安でした。インタビューを始めてみると、むしろ一般の方の関心がどこにあるか分かるのが面白いと感じるようになりましたが。

ご希望に対する回答がきちんとできているかは常に気にしています。質問の背景にはビジネス上の目的があるはずで、それを理解した上でお答えした方がよいと思うんです。

お客様の意図を探ってみたり、ー方的に話してご期待と違う方向に話を進めてしまわないようにしたり、いろいろと気をつけています。

 

活動を通してご自身にどういったメリットがあると認識されていますか。

質問をいただくことで、自分の専門分野に対する世の中の期待や関心がわかるのが面白いです。世間では当然のように言われていることが、実態と乖離していることもよくあるんです。

具体例を出すと、電気自動車のコスト。将来的に大幅に下がると思われていますが、実はそう簡単にいくものではありません。他には、「全固体電池」という電池が今研究されており、これも近々安く使えるようになると言われていますが、私は自分が関わった経験からすぐに実用化できるわけはないと考えています。

それをお客様に伝えると非常に驚かれます。いかに世論が形成されて、自分の尺度とのギャップがどれぐらいあるか知るよい機会をいただいています。

技術や開発の世界にはたくさんのハードルがあって、これまで数十年かけてできなかったことが、この1、2年で突然できるようなことはそうありません。お客様には自分が経験してきた事実をお伝えして、そこから将来の予測を述べるようにしています。そういう意味では、少し夢がないかもしれませんね。

 

個人と企業の関係は今後、どうなっていくと思いますか?

大企業にいると個人と会社名が結びついてしまいがちですが、これからは変わってくると思います。私は日産自動車からスピンアウトして新しい会社を作りました。社員には兼業を認めているので、名刺を2枚持っているメンバーもいます。銀行が週休3日制や4日制を打ち出していましたが、そうなれば休日を使って他の活動ができるようになりますよね。

そういった世の中で個人が自立して生きるためには、教育が重要だと思います。今の教育では、どこかに所属していればどうにか生きていける、良い学校に進学すれば安心だという傾向がまだ残っていると思います。

これからは、進学先や就職先ではなく、一人ひとりの行動や興味をよく見て評価するように変えていかないといけません。企業も社員との関係を変えていくべきです。

よくあるのが、社員が外の世界を知ってしまわないように、留学を勧めない会社。小さいことを言わないで、優秀な人材を輩出できたら転職をサポートするくらいになってほしいですね。

 

<特別賞> 山本 博和 様

物流事業会社 事業副本部長

得意業種:食料・生活用品、運輸サービス
専門領域:事業開発・企画・マーケティング、管理、接客・CS

略歴:1970年生まれ。海上コンテナ輸送会社を皮切りに物流に携わる。物流の上流から下流までの職務を複数の会社で歴任。その間に物流拠点の立ち上げ、特に集団である組織作りから個のタレントマネジメントを通じて、職場の環境作りが重要と考えて行動。現在は物流事業会社において事業副本部長として環境作りを実践する日々を送る。

表彰のポイント:物流領域のご経験が豊富で、幅広いテーマに対し的確にインタビューご対応いただいており、継続的に高評価をいただいております。

 

受賞の感想をお聞かせください。

山本 私たちが業界の中ではいつも普通にやっているようなことをお話しするだけで助かったと言っていただくことができて、ありがたく思っています。

 

エキスパートに登録してみようと思っていただけた理由をお教えいただけますか。

最初は軽い気持ちでした。どんな質問が来るのか気になって登録をしてみました。ただ、初めてのインタビューを終えるまでは、どういったレベルのご相談が来るのか、きちんと回答できるか不安に感じていましたが、実際に案件をいただいてみると現状の実務で行っている範囲内の知識でお答えできたので、安堵しました。

 

エキスパート活動の中での気づきがあれば教えていただけますでしょうか。

業界の中では当たり前に行なわれているようなことを外にいる方は知らず、価値を感じていただけるのだなと感じました。私は物流業界にいるのですが、ものを運ぶときにひと手間を加えると断然に効率が上がるがようなことがあります。

本当に何げない手間なのですが、知識がなければ気づくことができない。そういった何げないことをインタビューされ、喜んでいただくことが多かったと感じています。

 

クライアント企業の満足度を上げるために心がけていらっしゃることはありますか。

人が気付いていないことをわかるように伝えるためには、簡単な言い方をするしかないと思っています。物流現場の専門用語は使わず、小学生の社会科見学をイメージして、一般的な言葉で泥臭く説明する。専門用語を使うと楽ですが、それによって分かりづらくなったり、質問が長くなったりしてしまう。それで話が本線からずれてしまうとお互いに不幸ですからね。

 

ご自身がエキスパート活動をするメリットやモチベーションをお教えいただけますか。

小さなマーケティングのように捉えています。ある業種の物流担当者の考えていることや、別の業界がグローバリゼーションの中で取り組んでいることなど、様々なことを知る機会として活用させていただいてます。ですから、受ける質問のジャンルは制限を設けないことにしています。

自分の限界を決めずに、貪欲にスポンジのように吸い込んで吐き出そうと思っているので、活動は本当に楽しいです。

 

個人と企業の関係は今後、どうなっていくと思いますか?

業種や企業を超えて、それぞれの個人が知りたいことを気軽に出会わせるプラットフォームがあるといいかもしれません。必要なものをFAQみたいに取り出せる形を想像しています。

 

 

記事作成:宮原透、南部菜生子