【中国におけるソーシャルコマース】今後の発展は?現地有識者の見解を読み解く

2020.02.17 エキスパート

ソーシャルコマースとは、ソーシャルメディア(SNS)とEコマースを組み合わせた販売手法です。
中国ではKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーがSNSやライブストリーミングを通して商品やサービスを紹介し、販売促進を行う手法が多用されています。
ミーミルでは中国現地のご有識者の皆様に、中国におけるソーシャルコマースの今後の展望や課題等のご見解をお伺いいたしました。

トピック

  1. ソーシャルコマースの成長を牽引するキーファクターは?
  2. 中国におけるソーシャルコマースにおける注目の先進事例は?
  3. 中国におけるソーシャルコマースを牽引するバリューチェーン上のキーは?

ソーシャルコマースの成長を牽引するキーファクターは?

>>シェア、ローコスト

WeChatモーメンツ、tiktok生放送シェアが代表的な事例だが、ソーシャルコマースの源泉はフォロワーからの信頼。加えて購買者が商品を購入する時に自分の友人にシェアすることで、さらなる宣伝になる。このような方法は伝統的なECや実店舗より、コストをかけずに効率よく販売できる。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員(マーケティングディレクター))

>>化粧品、食品

やはり化粧品と食品の購買ニーズが非常に強いので、そこが牽引していくだろう。
化粧品であればSK-Ⅱ、食品であれば粉ミルクが代表商材。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員)

>>KOLのセンス、目線

KOL経済は容姿・可愛らしさを武器にしたKOLに代表され、彼女、彼らのセンスや目線が主導するマーケティング手法である。
ソーシャルメディアで人気になることで、膨大なフォロワーを獲得し、精密なマーケティングにより商品販売につなげている。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員(ディレクター))

>>ビッグデータ、越境、体験シェア

ソーシャルコマースのエンジンとして、ビッグデータによる行動分析がこれから重要となる。
そして商品間の競争が激化するため、いかに差別化に成功するかがキーとなる。これからは越境に集中すべき。
商品に対する不信感も発生してくるはずなので、いかに顧客を共感させるかの体験シェアもこれからの傾向となる。
(Moon Ventures代表 LINQI)

 

中国におけるソーシャルコマースにおける注目の先進事例は?

>>云集微店

云集微店はWeChat storeを統括するプラットフォームである。
WeChat storeにコンテンツ、物流、アフタサービス、マーケティングなどの付加価値を提供することで、WeChat storeの在庫問題、キャッシュフロー問題を解決することができる。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員)

>>拼多多

拼多多はWeChatのユーザープラットフォームを活かして共同購買する仕組みで、3年でNASDAQに上場を果たした。
拼多多はWeChatの友達に対し、一緒に参加する、一緒にお得になるという考え方のもと、商品の販売をより簡単なものにした。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員(マーケティングディレクター))

>>小红书

ほかのECプラットフォームと違って、小红书はコミュニティから始まったことが特徴。
ユーザーはコミュニティ内で美容やパーソナルケア、スポーツ、旅行、家庭、旅行、ホテル、レストランなど幅広くカテゴリを展開し、自分の体験を共有しながら商品を販売した。
生活の中のあらゆる側面をカバーしているのは小红书の強みである。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員(ディレクター))

>>OCEAN engine

tiktokのビッグデータプラットフォーム。
半径100m以内でターゲティングができ、ユーザーの行動パターンを読み込める上に、それに基づいてユーザーの習慣を学習することができる。
(Moon Ventures代表 LINQI)

 

中国におけるソーシャルコマースを牽引するバリューチェーン上のキーは?

>>フォロワー

ソーシャルコマースでのプロモーションは、プラットフォーム上でシェアとレコメンドが活発に行われることで、より商品の販売量が高まっていく。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員(マーケティングディレクター))

>>マーケティング

マーケティングは満たされない需要を識別するための手段で、市場の規模や今後の成長性を予測し、参入企業にとって最適な市場セグメントや当該セグメントに適した市場ニーズを見つけるために使われる。
マーケティングの核心はユーザーの需要を満たすこと以上に、ユーザーのために需要を創出することである。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員(ディレクター))

>>信頼

販売の前提は信頼。ソーシャルコマースは知り合いや友達間の交流とレコメンドのため、信頼感がある。
一般的な販売手法では生み出せない効果を実現できるから、価格差を作ることを前提にできる。
また、ソーシャルコマースは買い物目的だけではなく、娯楽の一環としても新鮮感を与えている。
(中国大手ソーシャルコマース会社 現地社員)

>>データ量と生活スタイル

人口基数が膨大であるため、ビッグデータ活用がよりしやすくなる。
モバイル決済インフラを活用した「より効率的な、より便利な」を追求する生活スタイルや、一人っ子政策による孤独感等のすべては、ライブコマースで解決できると考えている。
(Moon Ventures代表 LINQI)

 

プロフィール

LINQI

中国北京出身。英国ノッティンガム大学神経学在学中に、スマホ向けのゲーム会社を立ち上げ、2年でバイアウト。現在個人投資家として様々な事業に投資。
2018年、中国浙江省政府と協同で、杭州にある政府団地で世界初の日中技術融合オープンイノベーションプラットフォームを設立。日中大企業の新規事業の立ち上げや中国の先端技術を日本市場でのソリューション提供をサポートする国際的なコンサルティングを得意としている。

Twitterアカウント:Twitter@lynchlinqi